監修:帝京大学医学部附属溝口病院 皮膚科教授 清 佳浩
赤ちゃんに多い皮膚トラブルのひとつ「日焼けと乾燥肌」について、症状や対策などをわかりやすく解説します。
なぜ赤ちゃんの日焼け対策が必要なの?
赤ちゃんにとって紫外線のダメージは大人以上
そもそも日焼けは、程度は軽いとはいえ、やけどの一種。皮膚は赤くなってヒリヒリと痛み、ひどいときには水ぶくれができます。また、紫外線を大量に浴びると、肌の老化を進めたり、免疫機能を低下させたり。さらには体内で蓄積され、皮膚ガンの発生率を高めてしまう危険性も! 皮膚が薄く、バリア機能の弱い赤ちゃんであれば、こうした影響は大人以上です。
太陽の光を浴びることは生体リズムを整える上でも大切なことですが、浴びすぎは禁物。想像以上に赤ちゃんの体に負担をかけてしまいます。
赤ちゃんの日焼け対策はどうすればいい?
無防備に日の光にさらさないことが鉄則
- 日差しの強い10~14時の時間帯は、できるだけ外出を控えましょう。
- 長袖の服やズボン、帽子、タオルなどで紫外線を防ぎましょう。
- 出かけるときは、必ず日よけを用意しましょう。チャイルドシートやベビーカーにも日よけを忘れずに。
- 外出時はベビー用の日焼け止めを。塗りむらや塗り残しがないように、薄く均一にのばして、丁寧に塗りましょう。
- 海や山など紫外線の強いところでは、外にいる時間はほどほどに。汗で日焼け止めが流れてしまったら、汗をきれいにふいたあとに塗り直しましょう。
赤ちゃんの乾燥肌ってどんな症状?
生後2~3か月からカサカサ肌になり湿疹も
生後まもない赤ちゃんは、おなかの中でもらった母体の性ホルモンの影響で皮脂の分泌が過剰なため、脂っぽい肌をしています。しかし、2~3か月を過ぎると、その影響がなくなるため、肌を守ってくれる皮脂が不足。水分を保っておくことができないため、一転して肌はカサカサとした状態になります。その上、直接さまざまな刺激にさらされることになり、肌が炎症を起こし、湿疹があらわれたりします。
赤ちゃんの乾燥肌はどう対処したらいいの?
“清潔にして保湿”のスキンケアを忘れずに
皮膚の構造は大人と同じでも、薄くて機能が未熟な赤ちゃんの皮膚は汚れやすく、乾燥しやすいもの。それを防ぐには、いつも清潔にして十分に保湿することが大切です。丁寧にやさしく洗ったら、ベビー用の保湿剤を使って皮膚の水分をしっかり保持。そうすれば、しっとりとした健康な肌になるでしょう。
こうした基本的なスキンケアをしても乾燥肌が続くようであれば病院へ。シャンプーなどの成分が肌に残っていたために、乾燥肌になったというケースもあるので、皮膚科で相談してみましょう。
赤ちゃんにはアルコールが入っていないスキンケア用品のほうがいいの?
アルコールは赤ちゃんの肌には刺激的
バリア機能も免疫力も弱いデリケートな赤ちゃんの肌は、大人にとってはなんでもないものでも刺激となってしまうことがあります。アルコール成分の入ったスキンケア用品もそのひとつ。「アルコールそのものが肌によくない」というのではなく、「赤ちゃんには強すぎる刺激となって、肌にダメージを与えかねない」ということ。それゆえ、赤ちゃん用にはできるだけアルコールの入っていないスキンケア用品を選ぶことをおすすめします。